根管治療を2歯完了させたのち、即日でダイレクトブリッジを装着して完了させました。装着後3カ月経過した時点でクラックが生じてしまい、2ユニット+単独クラウンに変更した2年経過症例です。
東京都内から来院された患者さんです。近隣の歯科で抜歯の宣告を受けたため、保存を希望し来院されました。
通院回数の減少と、審美性の観点から4時間のアポイント時間を確保して即日で進める計画としました。
既存ブリッジおよび22のメタルコア除去後、歯根破折を確認しました。通常ならこの時点で保存不可能と判断し抜歯となります。前歯部の歯根破折はこのパターンが多いです。
感染が進んでいたため、破折片を除去しました。その後、唇側根面を造成しました。接着させるのに少々テクニックが必要ですが、高い成功率を維持できています。
11は破折なし。よかったー。歯肉縁上歯質がほぼ消失しているため、抜歯の適応となりますが、これだけ歯質が残っていれば余裕です。22は根管治療とファイバーポストを併用した歯根のモノブロック化を終わらせています。
根管治療の最中に技工士さんにワックスアップおよびポンティック部を制作してもらいました。治療時間を大幅に短縮できるため非常に助かりました。
ポンティックと連結させて完了。こうして症例でみるとあっさりした感がありますが、ほぼ4時間ぶっ通しで施術しています。患者さんはかなり大変だったと思います。ご協力いただき感謝しております。
普通は3~6カ月の期間がかかるブリッジ治療を1日で終わらせました。
1回で終わらせることのメリットとして
・治療期間の大幅な短縮
・遠方の方でも対応可能
・歯が無い期間がない、仮歯の期間が無い
・通院に付帯するコストの削減(会計業務の費用、交通費など)
などが考えられます。
3か月後にクラックが入ってしまいました。普通のブリッジだったら背筋が凍り付くトラブルですが、ダイレクトブリッジは大幅な修理が可能なので余裕です。クラックが生じた場合の対応はケースバイケースで、経過をみることもあります。今回のケースでは舌に当たり違和感が強いとのことだったため、ダイレクトブリッジの形状を変更することにしました。
カンチレバーに変更しました。ダイレクトブリッジは装着後に大幅な変更が可能であるため、高難易度ケースでも積極的にチャレンジできます。
歯根破折していた22は問題なく経過しており安心しました。
2年経過した写真です。着色がやや気になりますが、問題なく良好に経過しております。
・注意事項
症例写真は患者様の了解を得たうえで掲載しております。
無断複写・転載は一切認めておりません。