ダイレクトボンディングで患者負担を軽減させた症例

 近隣の歯科にて前歯の着色を相談したところ、前歯6本をセラミッククラウンで治療する説明があったそうです。ダイレクトボンディングにて健康な歯の切削量を抑えました。金銭面でも前医の提示した金額の3分の1以下にコストを抑えることが出来ました。


 歯のクリーニングで定期通院している歯科医院で「前歯の着色が気になる」旨を相談したところ、前歯6本をセラミッククラウンで治療する説明を受けたそうです。

 健全歯を削る量が多く、場合によってはセラミックを入れるためだけに抜髄をすることに難色を示されたそうです。60万円を超える金銭面もネックになったそうです。


 ダイレクトボンディングにて健全歯の切削量を抑えられることと、金額の点でも前医の見積もりの3分の1以下に抑えることが可能である旨を説明し、処置に移りました。目立つところからの治療を希望されたため、中切歯正中部から開始しました。

 


充填後の写真です。

使用したCRは

舌側 ジーシー グレースフィルローフローAO2

ボディ トクヤマ エステライト アステリアA2B

エナメル トクヤマ エステライト アステリアWE

以上の3レイヤーで仕上げています。


続いて11遠心と12の処置です。

 


 若い時はいろいろテクニカルに走っていたのですが、現在はシンプルです。特別なことは何もやっていません。基本に忠実というのか、結局のところ原点回帰するのかもしれません。CRは1つ1つの操作を確実に実行するだけで結果がついてきます。

 


オペークでしっかり遮蔽して、ボディとエナメルの厚みで明度をコントロールするイメージです。

 


本当は全部セラミック入れたほうが儲かります。経済的には完全に合理的ではありません。

儲かるって、なんなのか・・・。

 


 前歯の場合、ラバーダムをすることで全体のイメージを把握することが出来なくなります。1本だけ見ていると、バランスが崩れることがあるので、ラバーダム使用はケースバイケースです。

 


21遠心と22の充填が終了しました。

 



これで終了です!

 


 最終治療後、1カ月の経過観察です。

患者さんは大変喜ばれておりました。けっこうな距離をクルマで通院してもらいました。律義に通院していただき感謝しております。

 


3年目に入りました。問題なく経過しております。

今でも喜んでもらえているので、大変光栄に思います。

 

ダイレクトボンディングで注意しなければならないことが「審美面」です。

審美に敏感な方は

「キレイになる!もっともっとキレイに!」

とエスカレーションする方がいます。

 

こういった方にダイレクトボンディングは不向きです。

 

ダイレクトボンディングは、どちらかというと「元に戻す」イメージです。

ですので、芸能人みたいにバッキバキに白くできません。

 

ダイレクトボンディングを施術した方と話していて

「セラミックと違うのは分かる」と言います。

審美を求める方にダイレクトボンディングを施術すると「もっと白くしたい!」沼にハマる危険性があるので注意が必要です。

 

・注意事項

症例写真は患者様の了解を得たうえで掲載しております。

無断複写・転載は一切認めておりません。